



1階は Natural & Soft。旅の疲れを受け止める場所。
お客様を最初に迎え入れる1階は、Natural & Soft
をキーワードにデザインしています。
外の喧騒から一歩足を踏み入れた瞬間、照度を少し落とした柔らかな光と、ニュアンスのあるアースカラーが、視覚から静けさをもたらすよう構成しました。
壁面・床材・ファブリックは、主張の強い色を避け、トーンの近い色同士を重ねることで、視線がどこに触れても「やわらかさ」を感じられるように計画しています。
ソファまわりには手触りのよいテキスタイルを配し、間接照明の陰影が時間帯によって表情を変えることで、昼と夜で異なるくつろぎ方が生まれるよう意図しました。
チェックイン後にコートを脱ぎ、荷物を置き、深く腰掛けてひと息つく。
その最初の所作を、そっと受け止める"受け皿"としてのフロア。
旅の高揚感を一度静かにリセットし、ここから始まる滞在のリズムへと、心身をなめらかにつないでいく場所としてデザインしています。




2階は、色のレイヤーを楽しむステイフロア。
2階は、滞在そのものを愉しむためのフロアです。
淡いベースカラーの上にディープトーンを重ねることで、色のハーモニーを感じられる空間に。各壁面で「京都色」をレイヤーのように配し、メリハリがありながらも心地よく過ごせるダイニング&ベッドルームを構成しています。
ソファ背面のニッチはあえてダークトーンでまとめ、空間全体を引き締めるアクセントに。
カップを片手に景色を眺めたり、読書に没頭したりと、ゆったりとした時間を過ごせるような居場所を点在させています。



ディテールに忍ばせた、京都へのオマージュ。
階段まわりの壁面には、やわらかな光を受けて艶めく真鍮の壁掛け装飾をあしらいました。
高瀬川を舞う鳥たちをイメージしたモチーフが、ゲストを静かに迎え入れるように連なり、上階へと歩みを進める動線そのものに、物語性を持たせています。
吹き抜け部分には、和紙を用いたアートモビールを主役として配置しました。
わずかな空気の動きに応じてかすかに揺れ、光を受けて落ちる陰影が時間帯によって表情を変えていきます。鳥と雲を連想させる軽やかなフォルムが、外の空と室内の余白をやわらかくつなぎ、滞在に「浮遊感」のようなニュアンスを添えています。
こうしたディテールは、空間の主役として前に出過ぎることなく、ふとした瞬間にだけ意識される存在として設計しています。
視線の端に留まる小さな装飾や素材の温度感が、「ここで過ごす時間は特別である」という感覚を静かに後押しする──そんな京都へのオマージュを、宿全体にさりげなく散りばめました。